梅雨
概要
初夏の頃になると亜熱帯高気圧の勢力が強まり、暖湿な南西モンスーンが
強まり温帯気団と寒帯気団との間に梅雨前線を形成する。
要するに冬季の寒帯気団と夏季の温帯気団がけんかして、最終的に寒帯気
団が力負けし梅雨前線を北に押し上げられて梅雨明けとなる。
1.活発な梅雨前線の解析
- 積乱雲から吹き出す巻雲はチベット高気圧の尾根から北東->南西方向
に伸びている。これはひまわり赤外画像にも見られる。
- 梅雨前線の特徴として寒冷前線と違い水平温度傾度が小さいことである
- チベット高気圧
6〜7月頃になると亜熱帯ジェット気流はチベット高原の北側まで北上し
チベット高原付近は亜熱帯気団に覆われる。この為、海抜数千mのチベ
ット高原やヒマラヤ山脈ではモンスーンに伴う積乱雲が多発しその凝結
の潜熱と日射による加熱の効果が加わり膨張し、逆にその上空の200
〜150hPa面付近は圧縮されて東西に伸びる広大な高気圧が形成さ
れる。この高気圧の中層以下では熱的低気圧になっている。
(海抜が高い為、下層はない)
| 前線付近の雲 |
 |
赤外画像で見る雲の特徴
- 上層雲 -> 層状で広がった形で輪郭不明瞭。積乱雲に比べ濃度
は薄い。
- 積乱雲 -> 団魂状で明瞭であり白色の濃度が濃い。(発達した
積乱雲は雲頂から巻雲が流れ出るのでその方向では不明瞭)
ジェット巻雲のできる場所
- 強風軸の南約100kmにある水平温度傾度の大きい場所、即ち
風の鉛直シアの大きい場所でその上昇流により発生。
(つまり上層にはジェット気流があり、その速度発散(上層発散では
下層では相対的に収束となる)による上昇流により発生)
| 上層のトラフ、リッジと雲 |
 |
- 雲域の北側部分は高気圧性曲率で丸みをおびてふくらむ。
- これはトラフ前面の暖気移流の効果で温暖前線面を滑昇し上層の
リッジライン沿いにできた上層雲である。
- ひまわり赤外画像でみられる低気圧前面にできる北側に膨らんだ雲
と高層天気図(300hPa、500hPa)の等高線(リッジ)を対比して見
るとよくわかる。
- また雲域の北側への膨らみ具合が大きくなれば、暖気移流が顕著で
上層の偏西風の蛇行が大きくなっているといえるので、この低気圧は
発達するといえる。
2.積乱雲域の解析
1).可視画像で見る積乱雲域
- 赤外画像では全体が白く巨大な積乱雲域の様に見える。しかし可視画
像では北側ではやや灰色で平坦である。これは上面に上層雲が広が
りその下に中層雲が広がっている時の特徴である。
一方、南側では赤外画像では白く、可視画像でも真白と灰色が凹凸状
に散在しておりこれが積乱雲である。
2).強雨域(積乱雲域)発生の要因
- (下層)
下層ジェット気流(850hPa相当温位図に見られる南から50kt以上の
強風をいう)に伴い顕著な暖湿気流の移流域で強い収束場にあり強
い上昇流場である。
- (上層)
亜熱帯ジェット気流による速度発散、チベット高気圧からの尾根の張
り出しによる方向発散の場にある。
- つまり下層収束、上層発散の場にあり上昇流強化により不安定な成層
となり積乱雲が発達する。
|